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- 未経験からWebデザイナー、UI/UXデザイナーを目指しています
- ペルソナって何ですか?
- ペルソナ設計が大切なことはわかっているけれど、どうやって作ったら良いものか…
- ペルソナについて解説するよ
- Webデザイン、UI/UXデザインにおけるペルソナの設計のやり方や活用の仕方を教えるよ
詳しく見ていきましょう。
はじめに
ぼく
先生
ぼく
先生
未経験からWebデザイナー、UI/UXデザイナーを目指していると、「ペルソナ」という単語を目にするかと思います。
ペルソナはターゲットとするユーザーの人物像をかなり具体的にイメージしたもののことで、これがあるとWebの設計やデザインの方向性などがはっきりし、施策の効果を高めることができます。
ぼくは事業会社のUI/UXデザイナーとして働いてきましたが、担当するプロジェクトごとにペルソナを設計してきました。
また制作会社時代(当時は営業でしたが)の時も、社内のデザイナーがペルソナを作ってクライアントに提案したりしていました。
ぼく
このページではぼくのこれまでの経験をもとに、ペルソナ設計のやり方や活用法についてまとめてみました。
何かしらの参考になれば幸いです。
そもそもペルソナとは?
上でも述べたように、ペルソナはターゲットとするユーザーの人物像をかなり具体的にイメージしたものを指します。
ユーザーの性別や年齢だけでなく、性格や趣味嗜好、日常の行動までイメージしていることがポイントです。
ペルソナは大体こんなかんじ↓にまとめることが多いです。
ペルソナを設計するメリットは大きく次の2つが挙げられます
- 施策の効果を高めることができる
ターゲットとするユーザーの人物像がはっきりするため、そのユーザーのニーズを満たすようなユーザーファーストな施策を打つことができます。やみくもに施策を打つよりも、はるかに効率良く効果的な施策を打つことができます。 - 関係者間でイメージを統一することができる
関係者の間でユーザー像の認識ズレがあると、無駄な作業や議論、手戻りが発生してしまい、効率良くプロジェクトを進めることができません。ペルソナを立てて関係者間のイメージを統一することで、全員で同じ方向を目指すことができ、プロジェクトをスムーズに進めることができます。
ぼく
「初めてペルソナを設計する!」という方は、「Webディレクションの新標準ルール」という本がわかりやすくまとまっているのでオススメです。
この本にはサイトディレクション全般の基本的なことが網羅されており、Webサイト制作の観点でペルソナ設計の仕方がまとまっています。Webに携わるならばぜひ読んでおきたい1冊です。
ペルソナ設計で大切にすること
ここからは、ぼくが思う「ペルソナを設計する上で大切にすること」について、述べていきます。
とにかくユーザーを見る!リアルを知る!
ぼくが事業会社にいたときに先輩社員からいただいた言葉で、こんな言葉があります。
偉大な先輩
ぼくは今でもこの言葉を大切にしていて、ペルソナを設計するときは必ず、インタビューやアンケート、アナリティクスなど、様々な分析をフル活用してユーザーを深く知ろうとしています。
自分のエゴや先入観でユーザー像を定義するのではなく、ユーザーのリアルを探究し、そのリアルと向き合ってペルソナを作り上げていくプロセスが大切です。
ここでいかに深く分析し、ユーザーのリアルと向き合えるかで、施策の精度が大きく変わります。しっかりとユーザーと向き合ったペルソナがあると、それに基づいて行った施策(画面のUI改修やバナーのクリエイティブ変更など)も、きちんと成果が出ます。
ぼくもユーザー分析をめちゃめちゃやってバナーのクリエイティブを変更した経験がありますが、クリック率が1.5~2.0倍くらい改善されて嬉しかった記憶があります。
ここで1冊、「ジョブ理論」という書籍を紹介しておきます。
こちらは以前DeNAさんのデザイナーブログで紹介されていた本で(参考)、ユーザーをよく観察し本質をつかむことの大切さが書かれています。
この1冊を読むだけでも、ペルソナ設計で大切な要素のほとんどを補うことができ、けっこうおすすめです。
みんながわかる形に落とし込む
WebサイトはWebデザイナー、UI/UXデザイナーだけのものではなく、営業やエンジニア、ディレクター、経営者層など、様々な関係者が関わって成り立っています。
ですので、設計したペルソナを関係者に共有し、みんなが同じ方向を向いて進めるようにしてあげなければなりません。
先ほど挙げたフォーマット↑のようにまとめてもいいですし、絵が得意であればそれっぽい人物の絵を描いて漫画っぽくしてもいいと思います。
手段は何でもいいので、「ああ、こういう人ね!」というイメージが湧くよう、わかりやすく資料化してあげると良いでしょう。
「資料化」というふうに書きましたが、何かしら形になっていて、後から振り返ったり編集できるような状態にしておくと良いです。詳細は後述しますが、ペルソナは一度設計した後、定期的に振り返りを行い、加筆・修正を行うことがあります。ですので、何かしらドキュメントに残しておくと、後の運用が楽になります。
定期的にメンテをする
一度ペルソナを設計しても、数年後にはユーザーの生活様式も大きく変わりますし、Webサイトを利用するユーザー層も変わってくるかもしれません。
ユーザーは常に流動的であることを念頭に置き、定期的に設計したペルソナを見直し、軌道修正することが大切です。
また、特に0→1でWebサービスを立ち上げる時などは、最初に想定していたペルソナと、実際にWebサービスを利用してくれるユーザー像とが異なる場合も多く、運用の中でペルソナを大きく軌道修正することもあります。
ぼく
toBの場合は会社ペルソナも設計する
toCのWebサービスの場合はターゲットユーザーのペルソナのみを設計すれば大体OKですが、toBのWebサービスの場合、その会社の業種や文化、担当者の部署や権限などといった要因が大きく関係してきます。
例えば中堅規模の会社にイスを販売するECサイトを作るとなった場合、イスを使うのは社内で業務をする全社員ですが、その発注は総務部の担当者がまとめて行い、経理に申請して費用を出してもらうかもしれません。
その場合、ECサイトにはイスの写真やスペックだけでなく、社内稟議しやすいよう見積書をすぐに出せたり、納品について問い合わせできるようなUI/UX設計が必要になるでしょう。
こんなかんじで、toBはtoCと違い、会社の事情を考慮しなければなりません。
ですのでユーザーペルソナと同時に会社ペルソナも設計し、ターゲットユーザーを取り巻く環境全体を俯瞰することがあります。
ペルソナ設計の手順
ここからはペルソナを設計する時の手順について述べていきます。
ぼくがいつもやっている手順ですが、これが正解、というわけでもないので、参考程度に見てもらえればと思います。
課題の再確認
まずは課題の再確認をします。
Webサイトを作る時、画面UIの改修を行う時、そこには必ず解決したい課題が存在します。
その課題を解決しようとしたとき、ターゲットとするべきユーザーは誰なのか、を確認します。
デザイナー
担当者
デザイナー
場合によってはターゲットユーザーが2つ以上になる場合もあります。その際はユーザーをひとまとめにするのではなく、1つずつペルソナを作成して、「こういう人とこういう人がいて、両者に刺さるような施策はないか」というふうに考えていきます。
調査・分析
ターゲットユーザーが確認できたら、あの手この手を使ってそのユーザーの人物像を鮮明にしていきます。
ぼくが分析を行う際は、大体下記手法の中から状況に応じていくつかピックアップしています。
- Googleアナリティクス
(すでにサイトがある場合)現状、サイト内でどのようなアクションをとっているかがわかる。 - Googleサーチコンソール
(すでにサイトがある場合)現状、どのようなキーワード検索でサイトに流入しているのかがわかる。 - ヒートマップツール
(すでにサイトがある場合)現状、サイト内でどのようなアクションをとっているかがわかる。レコーディング機能があるとより画面の使い方がわかる。 - QA、問い合わせ分析
(すでにサイトがある場合)現状、サイトにどのような問い合わせが来ているか、どのようなクレームが入ってきているか、傾向や雰囲気がわかる。 - Googleトレンド、キーワードプランナー
世の中一般的に、Googleでどんなキーワードで検索しているのか、そのボリュームや傾向がわかる。 - 競合サービス分析ツール(Similarwebなど)
競合サイトでどのようなキーワードで流入してきているかがわかり、ユーザーの意外な検索行動を発見できたりする。ただしツール利用にお金がかかるため、予算がある場合に限られる。 - インタビュー
Webサイトの利用者や、ターゲットユーザーに近い人に直接話を聞く。深く意見を聞いたり、背景感を感じ取ることができる - アンケート
Webサイトの利用者や、ターゲットユーザーに近い人に直接アンケートを取る。多くの人に聞いて傾向とかを把握できる。 - SNSチェック
X(旧ツイッター)やインスタなどでユーザーがどのような感想をつぶやいているか、どんな感じの人なのかがわかる。 - YouTuberチェック
(ある程度ユーザーの人物像が見えてきた時に)その手のYouTuberがいる場合があるので、それを見るとより人物像や世界観を感じ取ることができる。
ぼく
ペルソナを紙にまとめてみる
調査・分析を実施していくうちに、段々とユーザーのイメージが鮮明になってきます。ここで紙とペンを用意し、わかってきたことや鮮明になってきたユーザー像を書き出してみます。
ここでは綺麗にまとめる必要はなく、とにかく頭にあることを書き出すでも良いですし、絵や図を描いてみるでも良いです。
この作業が意外と大事で、書き出してみると頭の中が整理されて考えがまとまってきますし、見落としていたことや新たな発見に出逢うこともあります。
ぼく
資料化
ここまで来ればペルソナ設計の土台はほぼ完成しています。あとはそれをわかりやすく資料に落とし込むだけです。
資料化する際は、なるべく1枚のスライドにまとめると良いでしょう。
分析で分かったことをいろいろと書きたくなる気持ちはわかりますが、資料化の目的は「関係者にシェアして認識を統一すること」と「後から振り返りやすい状態にしておくこと」にあります。
ですので、なるべくぱっと見でわかりやすく、管理しやすい状態にしておくことが望ましいです。
ぼく
資料にまとめる際は、ペルソナのテンプレートを使用するとうまくまとまるでしょう。Googleで「ペルソナ テンプレート」と検索しても出てきますし、Adobe XDを使っている方であればAdobeが開発した「Whiteboard」というプラグインを入れると、ペルソナのテンプレートをいつでも使うことができるようになります。
Webデザイン・UI/UXデザインにどう活用していくか?
さて、ペルソナ設計を通してターゲットユーザーのイメージがかなり鮮明になったらば、今度はそれをWebデザイン・UI/UXデザインに活用していきます。
「活用」といっても大したことはなくて、単純に「そのペルソナを軸にしてデザインを考えてみる」ということに尽きます。
例えば既存サイトのUIデザイン改修であれば、自分がそのペルソナになりきって実際にWebサイトを使いUIデザインを評価してみるのでも良いでしょう。
また、新規にLPを作るのであれば、そのペルソナをイメージしながらピンタレストで参考デザインを漁り、ビジュアルデザインの方向性を固めていくのでも良いと思います。
デザイナー
担当者
兎にも角にも、この「ペルソナを意識しながらデザインする」ということがとても大切です。
これにより、Webデザイン、UI/UXデザインをよりユーザーファーストなあり方にすることができ、自分主観のデザインから脱却することができます。
もう少し踏み込むと、この「ペルソナを意識しながらデザイン」をした後に、「本当にペルソナにそのデザインが刺さっているのか?」の効果検証を行ったりします。これはペルソナに近い人に作ったデザインを見てもらったり、プロトタイプテストをしたり、実際にサイトに公開してABテストを行なったりします。
「ユーザーファーストなWebデザイン、UI/UXデザイン」というのは簡単に実現できるものではありません。しかしこうしたペルソナ設計や効果検証を地道にやり続けることで、少しずつユーザーファーストな状態に持っていきます。そうした中で、時にユーザーにバシッと刺さるクリエイティブを出せた時は、本当にユーザーの行動が大きく変わりますし、GAのグラフとかも跳ね上がります。これが面白いのです。
まとめ
- ペルソナはターゲットユーザーを詳細にイメージしたもののこと。
- ペルソナはWebデザイナー、UI/UXデザイナーが設計することが多い。
- とにかくあの手この手を使ってユーザーのことを深く知ることが大事!そしてペルソナを軸にデザインを考えていくことが大事!
以上でペルソナのお話はおしまいです!
ぼく