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- 未経験からUI/UXデザイナーを目指しています
- ユーザーインタビューに興味はあるけど、何から始めればいいかわからない
- ユーザーインタビューの経験を転職活動やポートフォリオに活かしたい
- ユーザーインタビューの経験は結構大事だし、転職でも強い武器になるよ
- インタビューの手順や、ポートフォリオへの活かし方もお伝えするよ

はじめに

先生、ユーザーインタビューに興味あるんですけど、未経験の自分でもできますか?

お、良い心構えじゃ!
未経験でも問題ないぞ。テクニックはさておき、
まずは誰かに声をかけてみるのが大事だぞい。

転職活動にも活かせますかね?

かなり強い武器になるぞ。
「実際にユーザーに会いに行った」という経験は、
ユーザーファーストな姿勢としてプラスに捉えられる。

うし、がんばります。
未経験からUI/UXデザイナーを目指していると、「ユーザーインタビューが大事」という話をたまに耳にすると思います。
ぼくは事業会社のUI/UXデザイナーとして働いていますが、
実務の目線で見ると、ユーザーインタビューまで経験している人材は、かなり魅力的です。
ユーザーファーストに物事を考え、自分が作ったデザインを客観的にレビューできる、という証明になりますし、
何よりもその行動力が素晴らしいからです。
この記事では、未経験からUI/UXデザイナーを目指す方向けに、ユーザーインタビューの基礎から実施手順、転職活動への活かし方までまとめてみました。
よければご参考ください。
そもそもユーザーインタビューとは何か
ユーザーインタビューとは、実際のユーザーに話を聞いて、
アンケートや数字では見えない「本音」や「行動の裏側」を引き出す定性調査の手法です。
アンケートが「何人がYesと答えたか」という量を測るのに対して、インタビューは「なぜそう感じたのか」という質を深掘りします。
たとえば、「このアプリは使いやすいですか?」というアンケートに「まあまあ」と答えたユーザーがいたとして、その背景や理由は人によって違います。(「ボタンの位置が押しにくい」「使い方がよくわからない」などなど)
その「なぜ」を聞き出せるのが、インタビューの強みです。
ユーザーインタビューには、大きく次の2つの実施形式があります。
- デプスインタビュー(深層面接):1対1で深く話を聞く形式。最も一般的で、未経験者にも取り組みやすい
- グループインタビュー:複数名を集めてグループで話し合ってもらう形式。参加者同士の反応から新たな発見が生まれやすい
また、質問の構造によっても、次の3つに分類されます。
- 構造化インタビュー:あらかじめ質問が固定されている形式
- 半構造化インタビュー:大まかなテーマは決めつつ会話の流れで掘り下げる形式
- 非構造化インタビュー:テーマだけ決めて自由に話してもらう形式
ユーザーインタビューの経験が、転職の武器になる
UI/UXデザインの現場では、状況に応じてユーザーインタビューを実施し、課題や改善ポイントを見つけます。
UI/UXデザイナーの仕事は、見た目をきれいに整えることだけではありません。
企業が重宝するのは、ユーザーの目線で物事を考え、ユーザーの抱えている課題を解決できる人材です。

どれだけデザインツールを使いこなせても、ユーザーの視点が抜け落ちていれば、ビジネスに貢献するデザインにはなりにくいのです。
ユーザーインタビューは、きちんとやろうとすると、専門的なスキルや経験値が必要です。
もちろん未経験からUI/UXデザイナーに転職する人に、そこまで求めるのは無理ですが、
「実際にユーザーの声を自分で聞きに行った」という経験があるだけでも、かなり大きな差別化ポイントになります。
インタビューをするという行動そのものが、ユーザーを理解しようとする姿勢の現れだからです。

このデザインを作るにあたって、3人の方にインタビューをしてみました。その結果、〇〇という課題が見えてきて、それをこう反映しました。

ふむふむ、なるほど。実際に人に聞いてるのは良いね。
これができているデザイナーは、実は結構少ないと思います。
大半のデザイナーは、「自分の頭の中」または「自分とクライアントとの間」で、デザインのロジックを組み立てます。
しかし、「実際にデザインを目にする人のリアルな声」も、とても重要な要素です。
これを自分の足で調査し、デザインに反映しているデザイナーは、アウトプットに説得力があり、課題の解決力が高い印象があります。
インタビューで大切なのは、「教えを請う姿勢」
ユーザーインタビューで最も大事なのは、「敬意を持って、教えを請う姿勢」です。
「ラポール形成」「バイアスの排除」といったテクニック的なものもありますが、
まずは相手への敬意を持ち、「あなたの話を聞かせてください」と伺うのが第一歩です。
ここができていれば、多少ぎこちなくても、相手はちゃんと話してくれます。
インタビューの相手は、まずは知人や友人で十分です。
できれば5人ほどインタビューができれば有力ですが、厳しければ、1〜2人でも十分です。

ユーザーインタビューは「師匠と弟子の関係」とも言われます。
こちら↓の本に初歩的なところが書いてあるので、よければ読んでみてください。
未経験でもできる!ユーザーインタビューの実施手順5ステップ
ここからは、実際にユーザーインタビューを進めるための手順を紹介します。
ステップ1:目的・ゴールを決める
まずは、「このインタビューで何を知りたいか」を決めることが大切です。
目的があいまいなままインタビューをすると、無意味な時間になってしまいます。
インタビューの目的は、案件やフェーズによって色々あります。
例えばデザインを作る前であれば、「そもそもどんな課題があるのか」を調査するためのインタビューだったり、
デザインを作った後であれば、「このデザインがユーザーに刺さるのか」を調査するためのインタビューだったりします。
どのような局面で、どのようなことが知りたくてインタビューをしたいのか、まずは言語化してみると良いでしょう。
ステップ2:相手を探す
次に、ステップ1で決めた目的をふまえて、適切なインタビュー相手を探します。
まずは知人・友人に声をかけてみるのが良いでしょう。
「デザインの勉強をしていて、少し話を聞かせてほしい」と相談すると、意外とリアクションしてくれたりします。
知人・友人以外で相手を探したい場合は、以下の方法も使えます。
- SNS(X・Instagramなど):「UIデザインの勉強中でインタビューに協力してもらえる方を募集しています」と投稿すると、同じデザイン勉強中の人や興味を持ってくれた人が応じてくれることがある
- クラウドソーシング(クラウドワークスなど):アンケート・インタビュー協力者の募集カテゴリがある。少額の謝礼を用意すると集まりやすい
- デザイン系のオンラインコミュニティ・勉強会:X(Twitter)のデザインコミュニティ、Discord のデザイン系サーバー、connpass や Peatix のデザイン勉強会など。参加者同士で「お互い様」の空気があり、インタビューを依頼しやすい
ステップ3:質問リストを作る
インタビューの前に、ある程度の質問リストを用意しておきましょう。
ポイントは、「はい」「いいえ」で答えられないオープンクエスチョンを混ぜることです。

このアプリは使いやすいですか?
この質問はクローズドクエスチョン(はい or いいえで終わる)です。
こういう質問もアリなのですが、これだけだとアンケートと同じになってしまい、一歩踏み込んだ内容に言及できません。

このアプリは使いやすいですか?
なぜそう思ったのですか?
その時の状況を詳しく教えてくれませんか?
この質問は、オープンクエスチョンの比重が大きく、文章で答える形になるので、
より詳しい、リアルな内容を聞くことができます。
また、少し難しいですが、誘導質問はなるべく避けるようにしましょう。
「〜が不満だと思いませんか?」のように聞いてしまうと、相手は無意識に「そうかも…!」と思ってしまい、回答にバイアスがかかってしまいます。
なるべくこちらの答えを押しつけない、フラットな質問設計が大切です
ステップ4:インタビューを実施する
インタビュー本番の流れは、大きく4つのフェーズに分けて進めるとスムーズです。
- アイスブレイク:最初の2〜3分は、インタビューとは関係ない軽い雑談をして緊張をほぐす
- 趣旨の説明:「今日は〜についてお話を聞かせてください。正解はありませんので、思ったことを自由に話していただければ大丈夫です」などと伝える
- 本題・深掘り:質問リストを使いながら、相手の話に応じて「それはどういう状況でしたか?」「もう少し教えてもらえますか?」と掘り下げる。ここに一番時間を割く。
- クローズ:「最後に、他に気になっていることや伝えたいことはありますか?」と聞いてから締める。意外とここで重要な話が出てくることがある
インタビューの時間は内容にもよりますが、30分〜1時間くらいは必要です。
「どうしても時間が取れない…!」という場合は、要点だけに絞って10~15分で終わらせる、というのもアリです。
また、本番の前日などに、目的や趣旨、おおまかな質問内容などを事前に相手に伝えておくと、本番の進行がスムーズです。
ステップ5:記録する
インタビューは後で振り返ることが重要です。
可能であれば、インタビュー内容を録画・録音しておくことをおすすめします。(もちろん相手に承諾を取った上で)
メモでもいいのですが、インタビュー中にメモを取るのは案外大変で、
聞き逃しが発生したり、進行がバタバタになりやすいです。
録画・録音ができれば、いつでも後で振り返れるので、インタビューに集中できます。
どうしても録画・録音が難しい場合は、インタビュー終了後、
できるだけ早いうちに話の要点をテキストに書き起こしておきましょう。

理想は、Google Meetsやボイスレコーダーなどで録画・録音し、それをGeminiやClaudeなどのAIツールに食わせて文字起こし〜まとめまで一気にやってしまうと、漏れなく楽にまとめられます。
インタビューの質を高めるテクニック6選
ここからは、もう少しテクニカルな話に踏み込んでいきます。
最初はあまり気にしなくてもいいですが、ざっと眺めておくと、インタビュー本番が多少楽になるかなと思います。
1. ラポール形成(心理的安全性を作る)
ラポールとは、相手との信頼関係・親近感のことです。
インタビューで本音を引き出すには、「この人には話しやすい」と感じてもらえる雰囲気づくりが大切です。

そんなこと言ったって、アイスブレイク苦手だし、コミュ障だし、どうすればいいのよ!
…という方は、ぜひ、「相手の話にリアクションを入れる」ようにしてみてください。
個人的にはこれが最も効果があると思っています。
相手の話をうなずきながら聞いたり、ペースを合わせたり、「へぇ、すごいですね!」と、表情や言葉を適度に入れてあげるだけでOKです。
これだけで、相手は「自分の話を聞いてくれている」という安心感が芽生え、話しやすい雰囲気が出来てきます。
2. ラダリング法(「なぜ」を積み重ねる)
ラダリング法は、相手の発言に対して「それはなぜですか?」「そう感じるのはどういう理由からですか?」と繰り返し深掘りしていく手法です。
表面的な発言の裏にある、本当の理由や価値観を引き出すのに効果的です。
「なぜ」の回数には特に決まりはありません。十分情報が引き出せたな、というところで、ストップします。
ただし、同じ「なぜ?」を連発すると尋問のようになるので、「もう少し教えてもらえますか?」「その時の状況を教えてもらえますか?」など言い方を変えながら使うと良いでしょう。
3. 沈黙のコントロール(考える時間を尊重する)
インタビューに慣れていないと、相手が黙ってしまったときに、つい話しかけてしまいがちです。

うーん、、、、、、、、、、、、

…あー、えーと、つまり〇〇ということですか?
気持ちはすごく分かりますが、もうちょっと我慢をしましょう。
その沈黙は相手が考えている時間です。5秒くらい待つだけで、相手から重要な言葉が出てくることがあります。
沈黙を怖がらないことが、深い話を引き出すコツです。
(もちろんどうしても沈黙が長引くようであれば、助け舟を出してあげましょう)
4. バイアスの排除(自分の思い込みを持ち込まない)
質問設計のところでも触れましたが、インタビュー中は自分の思い込みをなるべく排除し、
バイアスのかからない、フラットな質問をすることが大切です。
これは質問のし方を少し変えるだけでも大きく変わります。
たとえば入力フォームの使い勝手を調査したい時に、

ここのフォーム、使いづらくないですか?
…と聞いてしまうと、相手は「フォームの使いづらさ」に意識を向けてしまいます。
「フォームが使いづらい」というのは、あくまで仮説です。
ユーザーはそもそも、普段フォームを使いづらいと思っていないかもしれない。
それがこの質問をしてしまうと、無理やり「使いづらさ」を探そうとしてしまいます。
ですので、ここは次のように聞くと良いでしょう。

ここのフォームの使い勝手はいかがですか?
こう聞くと、相手はフラットな視点で、フォームの良いところ、悪いところに均等に意識を向けることができます。
(ここで「使いづらい」という声が挙がれば、本当にフォームが使いづらい、という立証になります。)
5. エピソードとして語ってもらう
例えば検索フォームの使い勝手を聞くときに、

この検索フォームを、いつもどのように使っていますか?
…と聞いてもまあ良いのですが、

最近この検索フォームを使ったのはいつですか?その時の状況や使い方を教えてくれますか?
…のように、過去の具体的なエピソードとして聞くと、より詳細でリアルな情報が引き出せます。
ふわっとした聞き方や抽象的な質問だと、相手は「一般論」で回答してしまいます。
一方で、「個別具体の体験」を聞くと、その時の感情やシチュエーションなど、
当時は意識していなかったことも思い出したり、話してくれるので、おすすめです。
6. 発言の要約確認(誤解を防ぐ)
インタビューの中で、相手の話を聞きながら、所々で、
「つまり〇〇ということでしょうか?」と、相手の発言を要約・確認すると良いです。
自分と相手との解釈のズレを直せるだけでなく、
相手にとっても「ちゃんと聞いてもらえている」という安心感につながります。
インタビュー後の整理・分析について
インタビューを終えたら、必ず内容を整理・分析しましょう。
整理・分析をすると、デザインに活かせる示唆が見えてきます。
整理・分析の方法は色々ありますが、ここでは代表的なものを2つピックアップします。
KJ法・アフィニティダイアグラム
KJ法とは、文化人類学者・川喜田二郎氏が編み出した分類法で、
インタビューで出てきた発言を1つずつ付箋に書き出し、内容が似ている発言をグループにまとめていく手法です。
よくデザイン会社とかがやっている、ホワイトボードに付箋を貼りまくってるやつがそれです。
こんなやつ↓

この手法の目的は、発言からパターンや傾向を見つけることです。
付箋をグループ化していくと、「多くの人が言っていること」や、「〇〇な人は△△と言う傾向にある」といったものが見えてきます。
ここから、ユーザーの共通の課題やニーズを汲み取ることができます。
最近だと付箋よりも、FigmaやMiroなどのホワイトボードツールでKJ法を実施し、
データとして管理することが多いです。

川喜田(K)二郎(J)の頭文字をとって「KJ法」です。
アフィニティダイアグラムとも呼ぶそうです。
共感マップ(Empathy Map)
共感マップは、インタビューで聞いた内容を「思考・感情・行動・発言」の4つの象限に分けて整理する手法です。
KJ法がグルーピングによってパターンを見つけるのに対して、
共感マップは「ユーザーはどんな気持ちで、何を考えながら行動しているのか」を立体的に可視化します。
こんなやつ↓

共感マップは一般的に、下記の6つの視点で書き出し、整理していきます。
- その人が見ているもの
- その人が聞いていること
- その人が考えていること・感じていること
- その人が言っていること・行動
- その人の痛みやストレス
- その人が得られるもの・欲しいもの

KJ法と組み合わせて使うと、事象と感情の両面からアプローチできるので、
理解がぐっと深まります。
転職活動への活かし方
ユーザーインタビューの経験は、ぜひポートフォリオに載せ、転職活動に活かしていきましょう。
そもそもユーザーインタビューは、ポートフォリオの実績を作るところで実施することが多いと思います。
ですので、実績紹介のところ、主にデザインプロセスの説明のところで、
根拠の1つとしてユーザーインタビューの話を盛り込んでいくのが良いでしょう。
一例ですが、次のような流れでまとめると、実績紹介に説得力が出るかと思います。
- 課題設定:「〇〇という課題に着目した」
- インタビュー:「課題に対して〇人にユーザーインタビューを行い、〇〇という声が出てきた」
- 分析:「インタビューの内容をKJ法で整理し、〇〇というパターンが見えてきた」
- デザイン:「その課題を解決するために〇〇というデザインにした」
こんな感じで、プロセスをきちんと言語化できれば、
多少デザインが拙くても、「ユーザー目線でデザインを考えられる人」という印象を与えられます。

ポートフォリオの作り方についてはこちら↓にもまとめているので、よろしければ。
まとめ
- ユーザーインタビューの経験は、未経験からUI/UXデザイナーに転職する際の強い武器になる
- 大切なのはテクニックより「会いに行く姿勢」。相手は知人・友人で十分。
- 実施手順は5ステップ:目的設定 → 相手を探す → 質問設計 → 実施 → 分析
- ポートフォリオの実績作りでインタビューをやると効果的。説得力のあるプロセス説明ができる。

お疲れ様でした。どうもありがとさん
