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- 未経験からWebデザイナー、UI/UXデザイナーを目指しています
- コミュニケーション力が必要って言われているけど、何をどうしたらいいの?
- コミュニケーションにあまり自信がありません…
- Webデザイナー、UI/UXデザイナーにとってコミュニケーション力は大切だよ
- ぼくはもともとコミュニケーションが得意じゃなかったけど、事業会社でいろいろと学んだので、それを共有するよ
詳しく見ていきましょう。
はじめに
ぼく
先輩
ぼく
先輩
ぼく
これはUI/UXデザイナーとして事業会社に入社してから1年くらい経ったときのぼくの様子です。当時のぼくはコミュニケーション力が結構ズタボロで、内容がうまく理解できないわ、伝え方が下手だわで、プロジェクトを推進するのに周りのメンバーにかなり迷惑をかけていました。
ぼくはもともとそんなにコミュニケーションが得意ではなく、会話するとけっこう疲れてしまう性格で、どちらかと言うとひとりで作業に没頭していたい派の人間でした。
人と会話するのは嫌いではなかったのですが、あくまでも「その場を穏便に済ませる会話術」しか持ち合わせておらず、ビジネストークみたいな説得力のある会話や機転の効いた発言とかは全然できませんでしたし、相手を魅了するようなおもしろ話とかスケールのでかい話をすることもできませんでした。
なので、みんなの輪の中心で話を盛り上げたり、初対面の人に気さくに声をかけられるような”陽”寄りの人をみると、うらやましく思う反面、「ぼくにはできないな…」と心のどこかで諦めを感じていました。(昔、そういう人になろうとして大失敗しました)
そんなぼくでしたが、事業会社のUI/UXデザイナーとして3年半ほど勤めるうちに徐々にコミュニケーション力が身につき、ある程度プロジェクトを円滑に回せるようになり、ビジネストークにもついていけるようになってきました。
このページでは、ぼくが事業会社でどのようにコミュニケーション力を身につけていったかを紹介しつつ、「コミュニケーションについて、Webデザイナー、UI/UXデザイナーとして何を意識したらいいか」についてまとめてみました。
世の中の、コミュニケーションに悩んでいる方々の参考になれば幸いです。
そもそもなぜコミュニケーション力が大切なのか
Webサイトの制作や改修・改善には、コンバージョン向上や認知向上といったような「目的」が必ず存在します。
そしてWebサイトの制作や改修・改善にはたくさんの人たちが関わります。事業会社であれば営業や役員、コーダー、開発エンジニア、法務など、Web制作会社であればクライアントや他の代理店、自社の制作部隊などです。
WebデザイナーやUI/UXデザイナーは、そうした人々とうまく連携しながら最適なデザインを提供し、目的を達成しなければなりません。そのためにコミュニケーション力が必要となります。
Webサイトの制作や改修・改善には、思っている以上に多くの横やりが入ってきます。営業の都合や開発の都合、クライアント先の重役の意見などなど…。そうしたたくさんの人々の声が飛び交う中で、Webデザイナー、UI/UXデザイナーはコミュニケーション力を駆使し、目的達成のためのデザインを提供していかなくてはなりません。
ここで言うコミュニケーション力とは、「目的を見据えて人を動かす力」のことです。単におしゃべりができるスキルも重要なのですが、それ以上に人を説得し、納得してもらい、動いてもらうことが大切です。
しかし、「動け!」といってもなかなか動かないのが人間です。相手が十分納得し「目的を達成しよう!」という気持ちにならなければ、プロジェクトはうまく進みません。ここは非常に難しいのですが、相手と良好な関係性を築き、お互いが気持ち良く仕事できるように配慮する必要があります。
コミュニケーション力とは
テクニカルなお話
コミュニケーション力については、マイナビクリエイターさんの下記の記事が非常によくまとまっていてわかりやすいです。
参考 Webデザイナーに必要な3つのコミュニケーション能力とは?マイナビクリエイター
こちらの記事では、Web制作において大切となるコミュニケーションスキルを下記の3つに分解して説明してくれています。
- 聞き出す力
- 理解する力
- 伝える力
この3つの力は、1ヶ月くらい練習すればある程度身につけることができます。練習方法については記事や書籍がたくさん出ているので細かいお話はここでは割愛しますが、まずは自分にどのスキルが足りないのかを把握し、それに見合った練習をしてみるとよいでしょう。
当時のぼくはこの中でも特に「理解する力」と「伝える力」が圧倒的に弱い状態で、それは自分でもなんとなく自覚はしていました。
当時はがむしゃらだったのであまり意識はしていませんでしたが、今振り返ってみると、ぼくは下記のような形で弱点を克服しようとしており、これによってだいぶコミュニケーションの質を変えることができました。
- 聞き出す力
- →「理解する力」が養われてくると自然とここが強くなっていった印象。「もしかして〇〇ですか?」といった推測が働くようになった。
- 理解する力
- →時間をかけていいので、自分が納得いくまで徹底的に調べ、わからないことは聞くようにした。これを繰り返していると次第に「理解するまでにかかる時間」が短くなっていった。
- 伝える力
- →伝えるのが上手い人に自分の説明を聞いてもらって、フィードバックをもらうようにした。繰り返しアウトプットしていると、次第にムダな箇所が削ぎ落とされ、要点をおさえた説明ができるようになっていった。
マインドのお話
ただし、上で挙げたスキルセットだけではちょっと足りない部分があります。それは「人の心を動かすための姿勢」です。
人間は感情的な生き物です。いくら会話が上手でも、心理的な安全性や信頼関係が築かれなければチームはうまく回りません。
この心理的安全性や信頼関係を築き上げるのはけっこう時間がかかります。普段から自分の意識を変え、立ち振る舞いに気をつけていく必要があります。
ぼく
ぼくはこれまでUI/UXデザイナーとしていろいろなプロジェクトに携わってきましたが、下記の4つを意識しておくとコミュニケーションがしやすくなり、プロジェクトが円滑に回るようになった印象がありました。
- 相手の世界を理解し、敬意と感謝の念を持つこと
- 自分の身の程をわきまえること
- 義理を大切にすること
- 自分の考えをしっかり持つこと
それぞれについて説明していきます。
相手の世界を理解し、敬意と感謝の念を持つこと
上でも述べましたが、Webの制作や改修・改善には営業やエンジニア、経営者など、たくさんの人たちが関わります。
そして各人が、それぞれの立場で大切にするべき”正義”を持っています。WebデザイナーやUI/UXデザイナーであれば配色や視認性、営業であれば当月の売上、エンジニアであればシステムのパフォーマンスなどがそれにあたります。
しかしこの”正義”は、往々にして激しくぶつかり合います。こんなかんじ↓
デザイナー
SEO担当
営業
エンジニア
役員
ここで大事なのは、相手もサービス(ひいては会社そのもの)をより良くしようと一生懸命だということです。
何も口喧嘩がしたくてこんな状況になっているわけではありません。まずは相手の大切にする”正義”を汲み取り、落とし所を探っていくことが大切です。
それに、そうした”正義”を各人が持っているからこそ、SEOの順位が安定し、会社の売上が維持され、システムが安定的に稼働し、会社で毎月お給料をもらうことができています。まさに「みんなのおかげでWebサービスが成り立っている」のです。
Webデザイン、UI/UXデザインの世界にとどまるだけではなく、他の分野の方々に対しても敬意と感謝の念を持って接していけると良いですね。
自分の身の程をわきまえること
人には必ず、その道の「権威性」というものを持っています。
例えばこんな↓とき、どっちのレシピの方がよさそうでしょうか?
通りすがりの一般男性
一流レストランのシェフ
これは圧倒的に後者の方が信憑性がありますし、おいしいカレーが作れそうです。
逆に一般男性が一流レストランのシェフに対して「こうした方がもっと美味しくなると思います!」と言っても、たぶん「…??(誰だお前)」となるだけですし、なんだかカレーの美味しさを損なってしまいそうです。
つまり、中途半端に首を突っ込んだ人の意見よりも、その道のプロの意見の方が権威性があります。
これはWeb制作の現場でも同じです。プロの意見、自分よりもキャリアがある人の意見は素直に受け入れつつ、自分の権威性をわきまえながら立ち振る舞うようにするとよいでしょう。
決して「権威性がないと意見を言ってはいけない」というわけではありません。権威性がなくても、自分の意見を貫いて成功するパターンはあります(ただし失敗するリスクが非常に高いですが…)し、権威性のない意見も大切なサンプルの一つです。
大切なのは、「自分の権威性を自覚する」ことです。これをわきまえるのとわきまえないのとでは、コミュニケーションの円滑さがだいぶ変わります。
例えばエンジニアさんにシステムのことを聞くときでも、「よくわかっていなくて申し訳ないのですが、〇〇ということですか…?」とお伺いを立てれば、エンジニアさんも快く教えてくれます。逆に知っているふうな口で話をしてしまうと、エンジニアさんをちょっとイラッとさせてしまいます。
義理を大切にすること
「義理」というと堅苦しく感じるかもしれませんが、例えば困っている人がいたら助けてあげるとか、何かをしてもらったらお礼を言うとか、自分のミスは素直に認めて謝るとか、そういうことです。
「ギブアンドテイクが大切」とよく言いますが、決して気の利いた振る舞いができなくても大丈夫です。
気がついた時に、自分の手の届く範囲で結構なので、少しずつ「ギブ」ができるといいかなと思います。(無理してギブしようとすると変な感じになってしまいますし…)
ぼくはあまり気の利く人間ではなく、相手の誕生日を把握してプレゼントを渡したり、髪を切ったことに気づいて声をかけるみたいな、「日常的なさりげないギブ」が苦手だったので、特に入社したての頃は人間関係を築くのに少し苦労しました。
ただその代わり、自分でもできる業務であれば「それぼくがやりますよ!」と言って引き受けるようにし、「〇〇もやっておいた方がいいですか?」とか「〇〇さんにも知らせておいた方がいいですか?」みたいな、思いつく限りの配慮はするようにしました。
これでもなんとかやっていけているので、気が利かなくてもたぶん大丈夫です。自分のできるところから少しずつ取り組んでいくと良いでしょう。
自分の考えをしっかり持つこと
何度も述べていますが、Webの現場ではたくさんの人が関わり、たくさんの”正義”が渦巻いています。
相手に調子を合わせるだけだと、この渦巻く”正義”に振り回され、いつまで経っても落とし所が見つかりません。最終的には多少”正義”を犠牲にしてでも、決断をしなくてはならないのです。
そのために、まずはWebデザイナー、UI/UXデザイナーとして自分の考えをしっかり持つことが大切です。そしてその考えをしっかり相手に伝え、相手の考えと照らし合わせ、両者が納得の上で落とし所を見つけるプロセスが大切です。
案外自分の意見をしっかり伝えると、一緒に落とし所を考えてくれたりするので、建設的なコミュニケーションができるかなあと思います。
デザイナー
SEO担当
デザイナー
コミュニケーションが苦手な方へ!とりあえずやっておくべき3つのこと
ここまでWebデザイナー、UI/UXデザイナーにおいて大切なコミュニケーション力についていろいろと述べてきましたが、「なんだか多いし難しそう…」と感じている方もいるかと思います。
そんな方のために、ぼくが思う「とりあえずこれだけはやっておけ!」というものを3つほどピックアップしてみました。
「ありがとう」と「ごめんなさい」をきちんと言う
とにかく相手に何かしてもらったら「ありがとう」を、自分が相手に迷惑をかけてしまったと思ったら「ごめんなさい」を言うようにしましょう。これだけでも人間関係がだいぶ変わります。
回数とかあまり気にしなくていいです。しつこくてもいいので、反射的に言うようにしましょう。特に飲み会やご飯をおごってもらったりしたら、後できちんとお礼を言いましょう。
わからないことを、わからないままにしない。わかった気にならない。
ビジネスのコミュニケーションでわりと厄介なのが、「わかっている風に見えてじつはわかっていない」というやつです。
周りの人はおろか、本人自身もわかった気になっていることもあるので、「自分が理解できているかどうか」を冷静に見極めることが大切です。
Web制作においては少しの認識違いが大きなミスに繋がるので、細かいことでもきちんと理解しておいた方がいいです。
少しでもわからないことがあれば、理解できるまで調べたり、人に聞きまくってください。そして「わからない」ことを素直に受け止め、周りの人に「わからない」と正直に言ってください。
ぼく
事前に資料を作る
「人を前にするとなんかうまく伝えられない…」という方は、資料を作ることをおすすめします。
人を前にしてうまく伝えられないのは、脳の中で会話の構成がうまく組み立っていなかったり、自分でも内容を整理整頓できていない場合が多いです。(慣れれば即座に頭の中で練り直せるようになるのですが、これにはけっこう時間と訓練が必要です)
資料を作ると、自分の頭の中で内容を整理することができますし、その資料に基づいて話をすればいいので心理的に安心できます。
また、根拠が足りず主張が弱い箇所があったり、自分が理解できていないところがあれば、後から振り返ることができますし、他の人と共有して相談することもできます。
ぼく
まとめ
- Webデザイナー、UI/UXデザイナーのコミュニケーション力は「聞き出す力」「理解する力」「伝える力」の3つに分解して考えるとよい。
- 上記に加え、日頃のマインドとして相手への敬意とか感謝の念、謙虚さを大切にする。一方で自分の意見はしっかり持つ。
- とりあえず不器用で気が利かなくても、コミュニケーションはなんとかなる。
以上でコミュニケーション力のお話はおしまいです!
ぼく